大月 傑
図書館の新着本コーナーに「不幸な認知症 幸せな認知症」という本がありました。手に取ってみると、「認知症になったらどうしようと不安に思っているあなた、認知症と診断されたあなた、認知症の人の家族、友人、知人、介護職のあなたへ。「ボケたら終り」ではなく「ボケてもいい」と楽しく暮らすために。(中略) 認知症は、本人も家族も周りにいる人も、接し方や対応の仕方で、不幸にも幸せにもなれます。」とあります。
本当にそうだなあと思います。誰だって、認知症になっても幸せに暮らしたい。そのためにはどうすれば良いのでしょうか?
「最初の一歩は認知症のことをきちんと知ることからです。」と筆者は言います。認知症に関する誤解は多く、誤解が本人だけでなく家族や周りの人を苦しめていることも多々あるのです。
46才で認知症の診断を受けたオーストラリアのクリスティーン・ブライデンさんは、認知症の人の世界を著書「私は私になっていく」に書きました。その中で彼女は「何をおいても、私たちがひとりの人間だということを忘れないでほしい。私たちには認知症があるが、脳の損傷は目に見えないので、どんな状態かは外からは分からない。だからあまり決めつけないでほしい。私たちをあるがままに見て、まず病気でなく人間として見てほしい。」と言っています。また「あなたの接し方によって、私たちは人間らしさを取り戻し、自分たちはまだ必要とされている、価値のある存在なのだと感じることができる」と。
その人にとって何が幸せなのか?いつもそこから始めたい、そこに立ち戻りたいと思っています。
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